木星の衛星に新しい名前

【2002年10月31日 国立天文台天文ニュース(596)

国際天文学連合(IAU)は、10月22日、木星を周回する軌道を持つ衛星のうち、仮符号だけがつけられていた11個に対して、固有の名前がつけられたことを発表しました。

このうち、S/1999 J 1は、アリゾナ大学のスペース・ウォッチ・プログラムによって1999年10月から11月にかけての観測で発見されたもので、残りのS/2000 J 1からJ 10は、ハワイ大学のシェパードらによって2000年の11月から12月にかけての観測で発見されたものです。

S/1975 J 1は、1975年にヘール天文台コワルによって一度は発見されていたのですが、その後行方がわからなくなっていました。しかし、2000年に発見されたS/2000 J 1の軌道を過去に向かってさかのぼって計算したところ、長い間行方不明だったS/1975 J 1と同じ天体だということがわかったのです。

この命名により、木星の衛星で名前のついたものは27個となりました。

木星には全部で39個の衛星が見つかっていますが、残り12個の衛星には、まだ名前がつけられていません。

以下の一覧が、新しい衛星名です。(注:衛星の名前の読み方は未確認です。)

番号衛星名仮符号
Jupiter XVIICallirrhoe= S/1999 J 1
Jupiter XVIIIThemisto= S/1975 J 1 = S/2000 J 1
Jupiter XIXMagaclite= S/2000 J 8
Jupiter XXTaygete= S/2000 J 9
Jupiter XXIChaldene= S/2000 J 10
Jupiter XXIIHarpalyke= S/2000 J 5
Jupiter XXIIIKalyke= S/2000 J 2
Jupiter XXIVIocaste= S/2000 J 3
Jupiter XXVErinome= S/2000 J 4
Jupiter XXVIIsonoe= S/2000 J 6
Jupiter XXVIIPraxidike= S/2000 J 7