冥王星軌道の外側に見つかった、過去最大の小惑星

【2002年10月8日 STScI Press Release

NASAのハッブル宇宙望遠鏡などを使って太陽系の研究をおこなっていたカリフォルニア工科大学の研究者たちが、冥王星軌道の外側を公転する小惑星を発見したと発表した。これまで見つかっている小惑星の中では最大の大きさである。

研究者たちは、今年初めにパロマー山の望遠鏡を用いて観測をおこない、へびつかい座を移動する18.5等級の天体を発見した。そしてこの夏、ハッブル望遠鏡のACSカメラで追跡観測をおこない、その大きさを測定したのだ。直径はおよそ1300kmで、冥王星の約半分の大きさにあたる。1930年の冥王星発見より後に見つかった天体としては最大の大きさだ。

この天体の軌道は地球からおよそ65億kmも離れており、冥王星のさらに15億km以上外側を回っている(公転周期はおよそ288年)。太陽系内の天体のうち、望遠鏡で直接大きさを測ることができた天体としてはもっとも遠くにある天体となった。また、冥王星の軌道が大きく歪んだ楕円であるのとは対照的に、ほぼ真円の軌道を公転しているようだ。他のカイパーベルト天体と同様、氷と岩石が混じりあった成分をしていると考えられている。

この天体には2002 LM60という符号が与えられたが、研究者たちはアメリカ原住民の伝説に出てくる創造の神にちなんで「Quaoar」という名前を提唱している(正式には国際天文連合の承認が必要となる)。