天文宇宙の講演会「ブラックホールとは何か」の開催(NAOニュース)

【2002年7月16日 国立天文台天文ニュース(562)

国立天文台の電波天文学における研究は世界最先端の一翼を担っていますが、とりわけブラックホールの研究では一歩先んじているといえます。1995年に国立天文台のグループは、野辺山の45メートル電波望遠鏡の観測をもとに、米国のグループと共同のVLBI観測で、2300万光年の距離にある渦巻銀河M106(別名NGC4258)の中心に太陽の3900万倍の質量の巨大ブラックホールを発見しました。この発見は銀河中心核の巨大ブラックホールの存在の最初の確証とされています。さらに2001年には、ポンプ座の方向、8500万光年の距離にある渦巻銀河IC2560に太陽の280万倍の質量の巨大ブラックホールがあるという第二の証拠を得ています(国立天文台・天文ニュース 465)。

このブラックホールの最先端の研究成果を地元・長野県の方々に広く知ってもらうため、文部科学省国立天文台野辺山(野辺山宇宙電波観測所・野辺山太陽電波観測所・電波天文学研究系)では、天文宇宙の講演会「ブラックホールとは何か」を長野県内4カ所で下記のように企画しました。ビデオ「電波でさぐる宇宙」の放映の後、中井直正(なかいなおまさ 国立天文台・教授、野辺山宇宙電波観測所長)による講演「ブラックホールとは何か」が行われます。入場無料で、予約不要ですが定員超過の場合は入場をお断りする場合があります。ぜひお誘い合わせの上、ご来場ください。なお、ご来場の際は、公共交通機関を御利用下さい。

<天文宇宙の講演会「ブラックホールとは何か」開催日時・場所>

  • 8月 1日(木)松本市 松本Mウイング南 中央公民館3階会議室
    午後6時30分開演(定員130名)
  • 8月 4日(日)長野市 長野市民会館 集会場
    午後2時開演(定員200名)
  • 8月 9日(金)飯田市 飯田文化会館 人形劇場
    午後7時開演(定員200名)
  • 8月10日(土)上田市 上田市民会館 2階大会議室
    午後2時開演(定員130名)

問い合わせ先:長野県南佐久郡南牧村野辺山 国立天文台野辺山観測所
電話0267-98-4300、FAX 0267-98-3579(平日 8:30〜17:00)

・VLBI:「Very Long Baseline Interferometry (超長基線干渉計)」 の略称。
とても長い基線をもつ干渉計という意味。遠い場所にある複数の電波望遠鏡が、協力して天体観測を行うこと。

<関連リンク>

<関連ニュース>