1 月 31 日の小惑星バティカーナによる恒星食の改良予報
【2002 年 1 月 24 日 アストロアーツ】1 月 25 日更新
1 月 31 日(木)に小惑星バティカーナによる恒星食が起こる。この予報を佐藤勲さんとせんだい宇宙館からいただいたので、それぞれ紹介しよう。
<佐藤勲さんによる予報(ONM No. 616)>
1月31日(木)に起こると予報されていた小惑星(416)Vaticana(13.0等)によるTYC244800286(11.59等)の掩蔽は、同日24h24mごろ中部日本で見られます。
隠される恒星の2000年分点の位置は、赤経06h45m42s6701±0".082, 赤緯+36° 42' 03".277±0".084で、ぎょしゃ座にあります。一方、隠す小惑星の推定直径は 86km、視直径は0".049で、改良予報での暦の精度は0".018です。
名目上の掩蔽帯は、中部地方を通っており、ここを中心に東北南部、関東、中部、近畿、中国、四国地方が可能性圏内にあります。星の位置精度が悪いため、これ以上の精度向上は見込めません。現象が起これば、最長7秒間にわたって1.7等級の減光が起こります。
予報図のPDFファイルを添付しました。アクロバットリーダーでご覧になれます。
詳しいお問い合わせと観測報告は、佐藤 勲 氏(E-mail ANA65381@nifty.ne.jp)までお願いいたします。
さらなる改良予報が出た場合は、電子メールや電話、アストロアーツのホームページでも情報を流します。また、観測報告は、eGroupに参加登録の上(eGroupにログイン)、occultation@egroups.co.jpに投稿して下さい。(プロフィールを記入されませんと、参加登録されません。)
<せんだい宇宙館からの予報>
2月1日未明の小惑星(416)Vaticana による TYC 2448-00286-1 (mag 11.6)の掩蔽のIOTA による改良予報が発表されました。観測の可能な方は是非ご協力頂きたくお願い申し上げます。また、近隣の方々にも呼びかけをお願い申し上げます。
この予報は、ファインダーチャートとともに、以下のページにおきました。http://www2.synapse.ne.jp/uchukan/
対象星が微光で、また星表の精度が悪いため、経路の誤差(1σ)は経路幅の+/-175% と発表されています。掩蔽帯の幅は、約85kmで減光の継続時間は、最長 7.3秒です。
また、2月1日と示しているが、実際には1月31日の深夜の現象であるためこの点にも注意のこと。
■ 2002.02.01 00h24m JST 恒星 :TYC 2448-00286-1 赤経 06h 45m 42.663s,赤緯 +36°42' 03.27"(J2000) 11.6等 やまねこ座とふたご座の境界付近 小惑星:(416)Vaticana 13.0等 減光 :約 1.7等 継続時間は最長 7.3秒 掩蔽帯:関東地方,中部地方
改良予報の在所: http://www.oz.net/~stevepr/Asteroids/asteroid.htm
観測に成功されましたら、是非、国立天文台相馬充氏 または、せんだい宇宙館早水勉までご報告をお願いいたします。観測されましたデータは、IOTA,国立天文台,海上保安庁水路部,東亜天文学会 他、広く公開され星食の研究に役立てられます。
必要なデータは、
- 観測者氏名
- 観測地および観測地の経緯度
- 観測開始と観測終了の時刻
- 減光が観測されたか? 減光が観測されなくとも重要なデータです。
- 減光がおきた場合の時刻:減光開始の時刻および減光終了の時刻
- 観測機材
- 時刻保持の方法
です。観測は眼視によるものでも重要なデータとなりますが、可能な方は、是非ビデオによる観測をお願いいたします。時刻保持のためには、極力、GPS時計、短波時報(外国)などの正確な時報を用いてください。固定電話による117時報も0.03秒程度の信頼性があります。携帯電話の時報、電波時計、は遅れが大きいので避けてください。
星食観測は多くの観測者により成立するものですので、この種の現象を通じて、天文仲間のフレンドシップの広がることを期待しております。