高校生天体観測ネットワーク
しし座流星群の共同観測をよびかけ
【2001年10月19日 高校生天体観測ネットワーク】
11 月末のしし座流星群極大に向け、高校生天体観測ネットワークが共同観測をよびかけています。
高校生天体観測ネットワークは、1998年のしし座流星群を機会にはじまった「高校生天体観測会」からスタートしました。全国の高校生が同じ方法で同時に天文現象を観測するというもので、過去 3 年間のしし座流星群や今年の木星食、土星食など、さまざまな天文現象を観測した実績があります。
以下は共同観測のお知らせの概要ですが、注目は、アマチュア無線や FM ラジオによる「電波観測」、「写真観測」の資料が用意されていること、観測ネットワークに登録したグループを対象に、高感度ビデオカメラを無償貸出(40台)してくれることです。
参加申込みの締め切りは 10 月 31 日(水)です。流星群という現象を「研究するまたとないチャンス」を、ぜひ有効に活用してください。なお、詳しくは高校生天体観測ネットワークまで直接お問合せください。
<関連リンク>
- 高校生天体観測ネットワーク: http://www.astro-hs.net/
<しし座流星群 共同観測の概要>
(2001年度 高校生天体観測会(Astro-HS 2001)の実施について(第 5 報)より抜粋。なお、情報の重要性から一部順序を入れ替えています)
●しし座流星群の共同観測への参加方法
参加申し込み受付:〜10 月 31 日(水)
観測日:11 月 17 日(土)・18 日(日)の夜 11 時〜翌朝夜明け前、両方か片方。
詳しくは高校生天体観測ネットワークの参加方法のページをご覧ください。
●代表・連絡先
▼代表(運営委員長):渡部 潤一 さん(文部科学省・国立天文台広報室長)
▼連絡先(総合事務局)
電子メール:suzuki@astro-hs.net
電話番号:048-958-2331(9 時〜17 時) FAX番号:048-949-1024(より確実です)
住所:341-0003 埼玉県三郷市彦成 3-325
担当者:鈴木 文二 さん(埼玉県立三郷工業技術高校・理科)
各地区の事務局につきましては高校生天体観測ネットワークの事務局一覧のページをご覧ください。
●今年のしし座流星群について
ここ数年、天文ファンだけでなく、多くの人の関心を集めてきた「しし座流星群」ですが、今年は月の妨害もなく絶好の条件で観測できます。天文学者のなかには、特に日本などで多くの出現があると予想をする人もあり、期待がふくらみます。
いつもは 1 時間に数個しか流れない流れ星が、数十個、もしかしたら数百個以上流れる流星雨になるかもしれません。
もしそうなったら、これはめったにあることではありません。それはただ「見物」というだけでなく、流星群という現象を「研究するまたとないチャンス」となります。
たとえば、数個の流星ではわからない流星の分布がわかり、流星が何の影響をどのように受けたうえで、地球にぶつかってきたのかを研究する手だてになります。いうならば、 1 人や 2 人ではわからない、世の中の流行を数百人にアンケートをとればはっきりわかってくるのと同じです。
人の場合は流行ですが、今回、予想通り多数の流星がみられるかどうか、天文学者が考える理論の検証を行えるのです。そして、そのためには、たった一回きりの現象を、確実にとらえるために、全国、いや全世界に広がった観測網が必要です。
●11 月 17-19 日のしし座流星群の共同観測のよびかけ
しし座流星群について、高校生は、何ができるのでしょうか?実は、若くて柔軟な頭脳と体力を活かして、プロにも難しい観測を行うことが可能なのです。この高校生天体観測ネットワークでは、1998 年から連続して、しし座流星群の共同観測をつづけ、流星群が宇宙空間にどのように広がっているかをとらえてきました。
まず、肉眼をつかっての観測です。日本全国、いや、世界中からある空域にあらわれる流星をひたむきに数え続けるのです。この簡単な、しかし、準備と努力と工夫が必要な観測を行うことで、日本列島大、いや地球大の、スーパー天文台が出現することになります。肉眼は、想像以上にすぐれた観測装置です。広い範囲のかすかな流星を手軽にとらえる方法としては、いまのところこれを超える方法はありません。
いままで一度も天体観測をしたことがなくてもできる観測です。これまで天体観測に熱中してきた天文少年少女はもちろん、宇宙や星は好き。興味はある。でも、じっくり向き合ったことのないあなた。学校の勉強とはちがう学びをしたいあなた。現在までに 84 チーム、1000 人を越える高校生が登録をしています。しし座流星群の共同観測への参加方法をみながら、ぜひ、共同観測に参加しませんか?観測点が多ければ多いほど、広がっていればいるほど、すぐれた「天文台」ができるのです。
●オプショナル観測について(ビデオ観測など)
高校生は、大人より柔軟にハイテク機器を扱うこともできます。写真やビデオを使うことで「客観的な記録」を残すことができます。これはサイエンスには欠かせない要素です。昼間や曇天でも行うことができる、アマチュア無線や FM ラジオによる「電波観測」、「写真観測」についても資料を用意しました。
さらに、高校生天体観測ネットワークでは、40 台の高感度ビデオ機器を用意しました。これを全国に展開することで、肉眼での観測とたがいにチェックしあう、いままでにない高精度な観測網を作ろうと思っています。日本列島に降り注ぐ流星を、すべてキャッチできるネットワークの完成です。
肉眼での観測にあわせ、余力のあるチームにはぜひこうしたオプション観測にも挑戦してほしいと思います。
●共催
天文教育普及研究会、日本天文学会、日本惑星科学会、東亜天文学会
●後援
文部科学省国立天文台、文部科学省宇宙科学研究所、天文学振興財団、日本理科教育学会、日本理科教育協会、日本地学教育学会(内諾)、日本プラネタリウム協会、日本プラネタリウム研究会、全日本プラネタリウム連絡協議会(内諾)、日本流星研究会、東京近郊地区流星観測者会、掩蔽観測グループ、全国天体観測施設の会、全国科学博物館協議会、日本 HOU 協会
このプロジェクトは、こどもゆめ基金(独立行政法人国立オリンピック記念青少年総合センター)からの助成を受けた活動です。