アトランティス号の飛行、1日延長

【2000年9月13日】

※時間は全て日本時間

9月8日夜に打ち上げられ、10日昼に国際宇宙ステーション(ISS)へドッキングしたスペースシャトル・アトランティス号(STS-106/2A.2b)のミッションが続いている。このフライトは、シャトル史上99回目のフライトだ。

今回のフライトは、ISSに各種補給物資を届けるほか、8月6日にISSにドッキングしたロシアによる無人補給船「プログレス」の積荷のISSへの搬入、7月26日にISSにドッキングしたサービス・居住棟「ズベズダ」内の装置の点検・起動等を行ない、乗組員の恒久滞在の開始へ向けての準備を行なうことが目的だが、物資の搬入作業に案外手間取っていることから、NASA司令部は12日午後、フライトの1日延長を決定した。ケネディー宇宙センター(KSC)への着陸は、2000年9月20日(水)午後5時30分ごろとなる。

11日午後には、Ed Lu氏とYuri Malenchenko氏の2名によるシャトル史上50回目となった船外活動(EVA)が行なわれた。作業は速やかに進み、6時間14分にわたったEVAは成功のうちに完了した。予定の6時間30分より16分早い作業完了だった。このEVAでは、ズベズダとISSとを結ぶ電源ケーブルや通信ケーブルをつなぐなどの作業が行なわれた。

EVAの完了に続いて、シャトルの軌道変更用の小型推進器によるISSの軌道上昇(リブースト)が行なわれた。今回のドッキング中には、今回を含め3回のリブーストが行なわれる予定。シャトルがドッキング中のISSの観測に挑戦する方は、Heavens-Above (英文)等でこまめに予報をチェックしてほしい。観測方法の詳細に関しては、アストロアーツWebニュース「シャトルがドッキング中の国際宇宙ステーションを見よう」を参照のこと。

そして12日昼には、シャトルの乗組員がISSに入り、2時50分には「ズベズダ」へ続くハッチが開けられ、司令官であるTerrence Wilcutt氏とロシア人宇宙飛行士Yuri Malenchenko氏の2名が入室した。2年遅れで打ち上げられたサービス・居住棟「ズベズダ」は、ようやく宇宙での有人施設としての利用が開始された。

続いて、「ズベズダ」にドッキングしている無人補給線「プログレス」へ続くハッチが開けられ、「プログレス」に積みこまれている約1300ポンド(約590kg)の物資の搬入作業が開始された。

この間、アトランティス号に続いて10月5日にISSへ向け打ち上げ予定のディスカバリー号(STS-92/3A)が発射台に移動された。記念すべきシャトル史上100回目のフライトとなるディスカバリー号の任務は、通信システムや姿勢制御システムを搭載した「Z-1トラス」という構造体や、ISSとスペースシャトルを連結するドッキングポートである「PMA-3」を取り付けることだ。日本人宇宙飛行士、若田光一氏も搭乗する。約10日間の飛行を予定している。

[アトランティス号の今後の主なスケジュール]

  • 2000年9月14日(木)午後3時16分 シャトルによるISSの軌道上昇(リブースト)
  • 2000年9月18日(月)午後0時34分 シャトル/ISS分離
  • 2000年9月18日(月)午後2時24分 シャトル、ISSから離脱
  • 2000年9月20日(水)午後5時30分 シャトル、ケネディー宇宙センター(KSC)へ着陸

※予定は変更になる可能性がある

<関連リンク>

<関連ニュース>