発射台に落雷あるも、シャトルは無事。カウントダウンは続く

【2000年9月7日】

アメリカ・フロリダ州ケープ・カナベラルのケネディー宇宙センター(KSC)では、アメリカ時間9月8日朝の打ち上げに向け、スペースシャトル・アトランティス号(STS-106/2A.2b: 国際宇宙ステーション補給艤装フライト)のカウントダウンが続いているが、問題は天候だ。

先週末から雷が続いており、4日には宇宙センターの滑走路の着陸誘導システムに、落雷が原因と思われる損傷が発生するアクシデントがあった。このシステムはシャトルや航空機の着陸の際に用いられるもの。このシステム無しでもシャトルの着陸は可能のため、大きな問題とはならず、システムは5日には修理を終えた。

アメリカ時間5日夜には、打ち上げを待つスペースシャトル・アトランティス号(STS-106/2A.2b)が待機中の発射台に落雷があった。しかし、高さ100フィート(約30m)の避雷針のおかげでシャトルや発射台の設備に被害は無かった。

アトランティス号のランチ・ウィンドウ(打ち上げ可能時間帯)は、アメリカ東部夏時間8日午前8時45分(日本時間8日午後9時45分)からの2分半で、燃料の節約のため、シャトル史上最も短いランチ・ウィンドウとなっている。幸い、雷は7日までには収まると見こまれていいるが、低い雲もしくは沿岸沿いの雨が心配されており、打ち上げげ可能な好天が得られる可能性は60%と予想されている。

8日の打ち上げが見送られた場合、アメリカ東部夏時間9日午前8時22分(日本時間9日午後9時22分)に再度打ち上げが試みられる。ランチ・ウィンドウは、同じく2分半。9日は8日に比べると天候はやや好転すると予想されている。幸い、今後数日はケープ・カナベラルからの他のロケットの打ち上げは予定されていないため、他のロケットとのスケジュールの競合によりシャトルの打ち上げを大きく遅らせる必要が生じるようなことはない。

アトランティス号は、国際宇宙ステーション(ISS)に追加の補給物資を届けるほか、8月6日にISSにドッキングしたロシアによる無人補給船「プログレス」の積荷のISSへの搬入、7月26日にISSにドッキングしたサービス棟「ズベズダ」内の装置の点検・起動等を行ない、乗組員の恒久滞在の開始へ向けての準備を行なう。帰還は、アメリカ時間19日早朝の予定。

なお、今回のアトランティス号のフライトは、1981年にコロンビア号が初飛行を行って以来、99回目のフライトとなる。

[アトランティス号以降のISS関連ミッション予定]

  • 2000.10. 5 スペースシャトル・ディスカバリー号打ち上げ (STS-92/3A)
    通信システムや姿勢制御システムを搭載した「Z1トラス」という構造体や、ISSとスペースシャトルを連結するドッキングポートである「PMA-3」を取り付ける。日本人宇宙飛行士、若田光一氏も搭乗。約11日間の飛行を予定。

  • 2000.10.30 ソユーズTM宇宙船打ち上げ (2R)
    ISSコマンダーのビル・シェパード氏(アメリカの宇宙飛行士)、ソユーズ・コマンダーであるユーリー・ギドゼンコ氏(ロシアの宇宙飛行士)、フライトエンジニアであるセルゲイ・クリカレフ氏(ロシアの宇宙飛行士)の3名が搭乗。3名はExpedition 1 Crew(第1次滞在クルー)と呼ばれ、ISSに約3か月間滞在する予定。

※日付は、あくまで予定であり、天候その他の理由により、前後する可能性があります。

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