ESO、新たに8個の太陽系外惑星を発見

【2000年8月8日 Yahoo! News / ロイター (2000/8/6)

欧州の天文学者組織、欧州南天天文台(ESO)は、太陽系外惑星8個を新たに発見したことを明らかにした。

発見に用いられた手法は、惑星が恒星に及ぼす重力による恒星のふらつきや、地球から見たとき惑星が恒星の前面を横切る際の恒星の明るさの変化を検出するというもので、直接惑星の姿がとらえられたわけではない。

うち6個は、スイスのジュネーブに駐在している研究者らによる。5個は、南半球チリのLa Silla天文台による観測情報に基づいて発見され、1個はフランスのHaute-Provenceにある天文台による観測情報に基づいて発見された。

南半球で発見された5個のうち1個は、以前にも別の惑星が発見されている星系に発見された。この星系は、「ほ座」の方向141光年の距離に位置する「HD 83443」と呼ばれる恒星を中心とする星系で、今年5月には「HD 83443 b」と呼ばれる土星サイズの惑星が発見されていた。今回同じ星系に発見された「HD 83443 c」は、土星の約半分の質量しか持たない、これまでで最軽量の太陽系外惑星だ。なお、複数の惑星を持つ星系の発見は、今回の「HD 83443」星系を含めて2個目。

ジュネーブのチームによる発見に加え、アメリカ・カリフォルニア大学バークレー校のチームが3つの惑星の発見している。3つのうち1つはジュネーブのチームも発見したもので、恒星「HD 92788」をめぐるものだ。これら3つは、いずれも木星に似た巨大なガス惑星。

さらに、バークレーのチームは、複数の惑星を持つ星系はこれまで考えられてきたよりもありふれたものであることを示唆する成果を得ている。バークレーのチームが、既に惑星が発見されている12個の星系を観測したところ、うち5個から、不確かではあるが、さらなる惑星の存在をほのめかす結果が得られた。

両チームはこれらの研究成果を、現在イギリス・マンチェスターで開催されている国際天文連合(IAU)の総会において報告した。