そろそろ大型の小惑星が地球に衝突する時期?

【2000年7月27日 FoxNews.com / The Times (2000/7/25)

「X-ファイル委員会(The X Files committee)」として知られるイギリス政府の科学者グループが、遠くない将来に直径1kmほどの小惑星が地球に衝突する可能性があると警告している。もしそのような事態になれば、地球の全人口の10%が失われると考えられている。

イギリスの科学大臣であるサインスバリ卿は、地球近傍小惑星対策委員会(Near Earth Objects Taskforce)からの報告を検討しているところであり、ここ数日以内にそれに関するアナウンスを行なうと思われる。そのアナウンスとは、地球衝突の危険のある小惑星または彗星を検出するための、国際協力を求めるものだ。

対策委員会の報告によると、およそ10万年ごとに直径1kmほどの小惑星が地球に衝突していることを示唆する統計データがあり、すでに過去の衝突からはそれだけの期間が経過してしまっているという。

オルダーマストンにある政府の核兵器関連施設の科学者たちが、核兵器を用いてそのような小惑星をそらす方法を研究しているところだ。イギリスは、一連の対小惑星弾頭群による迎撃システムを築くため、欧州のパートナーとも協力することになるだろう。

オルダーマストンの施設の先任兵器科学者であり、対策委員会の助言役であったNigel Holloway博士によると、政府には、そのような対策の必要性を認める動きが広まっているという。

博士によると「直径1kmから2km程度の小惑星をそらすためには、広島型原爆にして10万発分に相当する弾頭が必要だ。しかし、一部の小惑星は比較的もろいため、一発の強力な弾頭を用いることは不利だ。もろい小惑星は、そんなことでは軌道をそらすことは出来ない。軌道をそらすためには、小惑星の側面で強力な中性子放射を伴う爆発をさせ、小惑星の側面の地表をある程度吹き飛ばすことが必要で、そのための爆破装置を開発する必要がある。」

ある科学方面の優秀な情報筋によると、NASAは既にそのような爆破装置の研究をはじめているという。

対策委員会の委員長を務めたHarry Atkinson氏は、委員会の研究成果についてコメントすることを拒否している。委員会の報告に含まれる警告は、最近の2本のハリウッド映画、『アルマゲドン』と『ディープ・インパクト』の話の筋に、薄気味悪いぐらい似ている。

サインスバリ卿が対策委員会を立ち上げたとき、彼はこう言った。「たとえ可能性はわずかでも、我々はリスクを無視することはできない。状況を監視するための国際的な基盤を作り上げるためにも、我々は一つの例を示さねばならないのだ。」

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