宇宙ごみ処分衛星が開発された

【2000年6月21日 BBC News (2000/6/19)

イギリス・イングランドのSurrey Satellite Technology(SST)社が、宇宙ごみ(space junk)の処分に使える超小型衛星(nanosatellite)を開発した。この衛星は「Snap」と呼ばれ、質量はわずか6kg。

SST社の代表であるCraig Underwood博士はBBCニュースにこう語っている。「Snapの最大のポイントは、信じがたいほどに廉価であることだ。Snap1号はごく小規模の開発チームにより、9か月で設計・製作された。1回のミッション全体に必要な資金は、わずか100万ドル以下で済む。したがって、多数の衛星が必要かつ衛星を使い捨てにしなければならないような任務に道を与える。」

宇宙が開かれてから40年が経過したが、今では莫大な量の宇宙ごみが地球の周りをめぐっており、問題になっている。宇宙ごみは、大きいものは使用済みの打ち上げロケットから、小さいものははがれた塗装の小片まで、さまざま。時速30,000kmに近い速度で運動しているため、金属の小片の衝突であっても、時速100kmのトラックの衝突と同等のエネルギーをもつ。これは衛星や宇宙ステーションにとって脅威だ。

Snapは4基のカメラにより宇宙ごみを捕捉し、それに取り付いて減速させる。そうして地球大気圏に突入させ、燃やしてしまう。このとき当然Snapの方もいっしょに燃えてしまうが、Snapは1基あたりわずか100,000ポンド(約150,000ドル)だ。これは一般的な衛星に比べてはるかに廉価。

Snapはまだ買い手が見つかっていないが、Underwood博士は、保険会社――特に、国際宇宙ステーション計画などの大規模計画の責任を負うような――の強い興味を得ることができると考えている。

Snap1号は最初のテスト・ミッションのため、6月28日、ロシアのプレセツク宇宙基地からコスモス・ロケットにより打ち上げ予定。中国の小型衛星Tsinghua-1およびロシアの軍事衛星がいっしょに打ち上げられる。

Snap1号はまずTsinghua-1とのランデブーを試みる。そして成功したら、次は宇宙ごみへの接近を試みる。