大型ワームホールは存在する?

【2000年4月13日 BBC News (2000/4/12)

最近の計算により、銀河間旅行を可能にするような大型で安定したワームホールが実際に存在しうるかもしれないということがわかった。

宇宙のあちこちにワームホールが存在し、それを通過することにより空間と時間のショートカットができるという可能性は、長く科学者たちの好奇心をそそってきた。

しかし、アインシュタインの一般相対性理論に基づく計算では、量子レベルの小型ワームホールしか存在し得ないという推算になる。

ワームホールは、「エキゾティック・マター」と呼ばれる反エネルギー粒子によって満たされることにより、維持されている。しかし、エキゾティック・マターの生成は難しいため、ワームホールの大きさの限界は量子レベルに過ぎない。

だが、米フロリダ州セント・ピーターズバーグのプルコボ(Pulkovo)天文台に所属するロシア人理論家Sergei Krasnikov氏が"New Scientist"誌に発表したところによると、現在知られている物理法則に反せずに大型安定ワームホールの存在可能性を示唆する結果を得ることができたという。

氏による新しいワームホール・モデル理論では、ワームホールは維持に必要なエキゾティック・マターを自ら生成することができるとしており、したがって通路として利用できるほど大型でかつ安定なワームホールの存在は可能となる。