小惑星エウカリスによる恒星の掩蔽の改良予報

【2000年3月19日 佐藤 勲 氏 ONM No.512】

USNOでの観測によると、3月28日(火)に起こると予報されていた、小惑星(181)Eucharis(12.2等)によるGSC143801458(11.2等)の掩蔽は、26h07mごろ、日本を通る可能性が高いことがわかりました。 恒星の位置精度が悪いため、北海道から九州までの全域が可能性圏内にあります。

小惑星の推定直径は106kmで、掩蔽が起これば、最長10秒間にわたって1.4等の減光が起こります。 恒星の位置は、赤経11h34m05.9s, 赤緯+18゚39'14"にあります。

また、3月31日(金)に起こると予報されていた、小惑星(181)Eucharis(12.2等)によるACT0721284(10.5等)の掩蔽は、25h43mごろ、北日本方面を通ることがわかりました。 名目上の掩蔽帯は、津軽海峡付近を通っており、東北、北海道方面が可能性圏内にあります。

小惑星の推定直径は106kmで、掩蔽が起これば、最長11秒間にわたって1.9等の減光が起こります。 恒星の位置は、赤経11h32m20.5s, 赤緯+18゚58'32"にあります。

さて、観測方法ですが、眼視観測の場合は、電話時報を受信し、時報と現象が起こった時の声を録音して、後で再生して潜入と出現の時刻を0.1秒単位で求めます。 現象を見てから声が出るまでの反応時間は、適当に見積もって補正します。 眼視観測は信頼性が低いので、近くの人とペアを組んで2人以上で観測すると、信頼性が向上します。

ビデオ観測の場合は、できればI.I.や高感度の白黒ビデオを使用し、時報を同時録音します。 周囲の星が映るような倍率で観測すると、雲の通過による減光を区別することができます。

掩蔽帯図
3月28日
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掩蔽帯図
3月31日
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この情報は、お近くの観測者にも伝え、なるべく多くの観測が得られるよう御協力下さい。 観測報告は、現象が起こらなくても、曇っても、観測地の詳しい経緯度や高度、望遠鏡、観測方法、観測状況などを添えて、佐藤勲氏(satoois@cc.nao.ac.jp)まで是非御報告下さい。