小惑星による恒星食の予報(12月)

【1999年11月29日 佐藤 勲 氏 ONM No.488】

12月の小惑星による恒星の掩蔽予報を掲げます。

  月 日  JST    小惑星       直径継続減光    恒星名   光度  赤経(J2000)赤緯  点
         h  m 番号 名前        km 秒  等               等    h  m  s   ゚  '  数
○12  9 21 18  690 Wratislavia140 11  1.2 GSC13210840 11.5 06 00 53 +19 45.4 81
○12 14 24 31  185 Eunike     165 98  2.0 ACT 0100278 10.6 09 07 09 -01 12.1107
○12 19 21 07  645 Agrippina   32  3  6.0 HIP  027791  7.7 05 52 53 +34 26.7 78
  12 20 26 52  980 Anacostia   89  7  1.2 GSC19000326 11.1 07 10 11 +25 14.9 76
  12 23 22 01  846 Lipperta    54 14  3.3 GSC12360366 11.1 03 19 43 +18 28.2 79
  12 25 27 39  760 Massinga    75  6  1.8 ACT 1320846 10.6 06 06 19 +39 45.2 75
○12 26 26 54 1584 Antilochus 109  6  8.1 HIP  031285  7.5 06 33 41 -07 12.2 91
  12 30 19 20  257 Silesia     74  6  2.2 GSC18910061 11.1 06 25 16 +28 15.7 75

90点以上の現象は好条件、100点以上の現象は、高い割合で観測に成功しています。 点数の高い現象ほど、改良予報のための位置観測や、現象の観測を優先的に行なって下さるようお願いします。 1mas=0".001です。 ◎,○のついた現象は、新たな改良予報が出なくてもマークして下さるようお願いいたします。

12月9日(Wratislavia;ウラティスラビア)
初期予報より南へずれた場合に、日本で見られる可能性があります。

12月14日(Eunike;エウニケ)
初期予報ではサハリン南部を通っており、南へ1σ以上ずれると、北海道で見られる可能性があります。

12月19日(Agrippina;アグリッピーナ)
初期予報より北へずれれば、日本で見られる可能性があります。

12月20日(Anacostia;アナコスティア)
初期予報ではサハリンを通っており、南へ2σ以上ずれないと、日本で見られません。

12月23日(Lipperta;リッペルタ)
日本の南海上を通っており、北へ1σ以上ずれれば、日本を通ります。

12月25日(Massinga;マシンガ)
初期予報では沖縄方面を通っており、北へ1σ以上ずれれば日本で見られます。

12月26日(Antilochus;アンティロクス)
トロヤ群小惑星によるもので、隠される恒星も7.5等と明るいので、注目に値しますが、予報の誤差が大きく、北へ1〜2σずれた時に日本を通ります。

12月30日(Silesia;シレジア)
初期予報より南へ0〜2σずれた場合に日本で見られます。

来年の小惑星食の予報ができました。 今年観測報告を送られた方には、自動的にお送りしますが、それ以外の方で必要な方は、御連絡下さい。 また、渡辺和郎氏のご協力により、天文年鑑の毎月の空の項にも、小惑星の掩蔽の予報が掲載されることになりました。

今年は、これまでに4個の現象の観測に成功し、通算で19回となりました。 ありがとうございました。 1997年のトロヤ群小惑星ディオメデスによる掩蔽の観測結果は、現在ICARUSに投稿中です。 いい結果が得られた場合には、このように、学術誌に投稿する予定です。 来年もまたよろしくお願い致します。

参照 1999年8月以降の掩蔽の初期予報