銀河の形成過程の鍵をにぎるバルジ

【1999年10月6日 Space Science Update (NASA, STScI)

渦巻き銀河は大別して中心部に位置する黄色く丸い球根のような領域と、その周囲に渦巻きの腕のような構造をもつ円盤の領域とに分けられる。前者はバルジ、後者はディスクと呼ばれている。そしてこの2つの領域のうち、どちらが先にできたのかが銀河形成のメカニズムを解くための重要な問題の一つとなっている。

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<上画像中央>地上望遠鏡による棒渦巻き銀河NGC 1365の可視光画像。中心部の構造を調べるにはやや分解能がたりない。<左上>中央の画像の青枠の領域をハッブル宇宙望遠鏡の広視野惑星カメラ2で捉えた可視光画像。中心部に黄色く輝くバルジがはっきりと捉えられた。<右下>中央の画像の赤枠の領域を赤外線で捉えた画像。黄色の領域が中心部に相当し、周囲のガスやダストを引き付けている。右下の青い点は若い星の集団である。


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<上画像>上段は地上観測による4つの銀河の全体可視画像である。このうち青枠の領域をハッブル宇宙望遠鏡で観測した結果が下段に示されている。下段の画像はハッブル宇宙望遠鏡の可視画像と赤外線画像を合成したもので、バルジを形成する星の年齢を推定する有力な手がかりが得られる。

 

 

<ニュースソース>
Starry Bulges Yield Secrets to Galaxy Growth (NASA Today)