小惑星による恒星食の予報(9月)

【1999年8月27日 佐藤 勲 氏 ONM No.465】

9月の小惑星による恒星の掩蔽予報を掲げます。

   月 日  JST    小惑星      直径継続減光    恒星名   光度  赤経(J2000)赤緯  点
          h  m 番号 名前       km 秒  等               等    h  m  s   ゚  '  数
   9  5 27 04  804 Hispania  161  6  2.7 ACT 1322836 10.9 06 18 30 +37 45.0 76
   9 10 22 40  615 Roswitha   50  6  5.6 ACT 3108319  9.1 18 46 08 -26 28.4 79
○ 9 16 20 18  276 Adelheid  127 11  6.0 HIP  090748A 8.4 18 30 58 +01 23.5 92
◎ 9 16 20 26  276 Adelheid  127 11  6.0 HIP  090748B 8.8 18 30 59 +01 23.5 91
× 9 22 25 42  911 Agamemnon 175  6  9.6 HIP  041262  6.1 08 25 05 +35 00.7 94
○ 9 26 26 46    2 Pallas    523 18  0.3 ACT 2381070 10.2 07 07 27 -12 09.8100

90点以上の現象は好条件、100点以上の現象は、高い割合で観測に成功しています。
点数の高い現象ほど、改良予報のための位置観測や、現象の観測を優先的に行なって下さるようお願いします。 1mas=0".001です。
◎,○のついた現象は、新たな改良予報が出なくてもマークして下さるようお願いいたします。

9月5日(Hispania;ヒスパニア)
初期予報では、掩蔽帯が太平洋沖を通っており、北へ1σ〜2σずれれば日本で見られます。

9月10日(Roswitha;ロスビタ)
低空のため、南西諸島や西日本方面でのみ観測可能性あり。

9月16日(Adelheid;アーデルハイト)
2".4離れた2重星の掩蔽です。 USNOの5月20日〜8月18日の観測によると、主星の掩蔽帯は、南西諸島方面を通っていて、九州以南が可能性圏内です。 伴星の掩蔽帯は、中国・四国付近を通っていて、関東から九州までが3σ以内にあるので、伴星の掩蔽が日本で見られますものと予想されます。

9月22日(Agamemnon;アガメムノン)
トロヤ群小惑星で、恒星が6等と明るいのですが、低空で、掩蔽帯は日本の北へ外れる可能性が大です。

9月26日(Pallas;パラス)
低空でわずか0.3等級の減光のため、眼視での観測は不可能で、大きめの望遠鏡によるビデオ、光電管、CCD写真観測が必要です。 関東から中国・四国地方で見られることが確実視されています。 この方面の公開天文台の方の御協力をお願い致します。 詳しくは、月刊天文9月号を御覧下さい。

参照 1999年8月以降の掩蔽の初期予報