小惑星プラクセディスによる恒星の掩蔽の改良予報

【1999年4月29日 佐藤 勲 氏 ONM No.439】

USNOの1月23日から4月18日までの観測によると、29日に起こると予報されていた小惑星(547)PraxedisによるACT0119592(9.77等)の掩蔽は、25h32m40sごろ、西日本方面で見られる可能性が高いことがわかりました。名目上の掩蔽帯は、四国・中国を通っており、関東より西が可能性圏内にあります。

小惑星の直径は73kmと推定され、現象が起これば、最長5秒間にわたって4.9等級の減光が起こります。恒星の位置は、赤経13h06m20.7s, 赤緯-02゚46'33"で、おとめ座にあります。しかし、満月から12゚しか離れていないため、条件はよくありません。

眼視観測の場合、JJYまたは電話時報を受信し、時報と現象が起こった時の声を録音して、後で再生して潜入と出現の時刻を0.1秒単位で求めます。現象を見てから声が出るまでの反応時間は、適当に見積もって補正します。眼視観測は信頼性が低いので、近くの人とペアを組んで2人以上で観測すると、信頼性が向上します。ビデオ観測の場合は、なるべくI.I.を使用し、時報を同時録音します。周囲の星が映るような倍率で観測すると、雲の通過による減光を区別することができます。

この情報は、お近くの観測者にも伝え、なるべく多くの観測が得られるよう御協力下さい。観測報告は、現象が起こらなくても、曇っても、佐藤勲氏(satoois@cc.nao.ac.jp)まで是非御報告下さい。

なお、USNOの観測によると、5月3日の(318)MagdalenaによるHIP087101の掩蔽と5月5日の(109)FelicitasによるHIP047274の掩蔽は、いずれも南西諸島方面を通る見込みです。