人工衛星が地上をライトアップ

【1999年2月4日 IAUC 7104

2月4日から5日にかけて、人工衛星が地上を照射する実験が行われる。

この実験は、地球を周回しているプログレスM-40探査機に搭載されたロシアのズナミヤ-2.5という巨大な鏡で、太陽の光を反射し、地上の夜の地域を照らし出そうというもの。照らされるのは地上の直径6kmの範囲で、その地域では、探査機が通過する1〜2秒ほどの間、満月の10倍もの明るさで輝いて見えることになる。

実験は世界時で2月4.482日から5.092日まで続く。照らし出される地域は、カザフスタン、ウクライナ、ベルギー、ドイツ、カナダ、アメリカ北部である。この実験により、天文台などの観測施設が被害を受ける可能性があると、注意が呼びかけられている。

詳しい情報は、以下のサイトを参照。

http://src.space.ru/page_30e.htm
http://www.skypub.com/news/special/znamya.html

なお、1997年に京都で開催された国際天文学連合総会では、明るい人工天体は天文台に被害を与えうることが指摘されていた。更に、暗い夜空は人類全体の財産であり、地上の世界遺産と同様に、暗い夜空もそのまま残しておくべきであるという決議が採択されていた。