小惑星マベラとアドリアーナによる恒星の掩蔽の改良予報

【1999年1月15日 佐藤 勲 氏 ONM No.401】

USNOでの11月23日〜1月11日までの観測によると、1月17日(日)に起こると予報されていた小惑星(510)Mabella(14.5等)によるACT0103237(9.88等)の掩蔽は、同日22h00mごろ、日本を通ることがわかりました。 名目上の掩蔽帯は、北関東から北陸にかけて通っており、東北地方から四国および九州北部までが可能性圏内にあります。 予報の精度は、0".05で、小惑星のサイズの約3倍です。小惑星の推定直径は59kmで、現象が起これば最長5秒間にわたって4.6等級の減光が起こります。 恒星の位置は、赤経09h35m56s6, 赤緯+01゚16'05"です。

Mabellaの掩蔽帯図Mabellaの掩蔽帯図
1月17日
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935×1210

また、USNOの12月27日〜1月11日までの観測によると、同じく1月17日(日)に起こると予報されていた小惑星(820)Adriana(16.7等)によるHIP061658(5.68等)の掩蔽は、同日26h37m〜40mごろ、日本を通ることがわかりました。 名目上の掩蔽帯は、能登半島から東北中部にかけて通っており、北海道から九州までの各地が可能性圏内にあります。 予報の精度は、0".1で、小惑星のサイズの約7倍です。小惑星の推定直径は61kmで、現象が起これば最長9秒間にわたって11.0等級の減光が起こります。 恒星の位置は、赤経12h38m22s4, 赤緯+01゚51'17"です。月刊天文1月号に予報があります。 恒星が6等級と明るいので、双眼鏡でも観測可能です。

Adrianaの掩蔽帯図Adrianaの掩蔽帯図
1月17日
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眼視観測の場合、JJYまたは電話時報を受信し、時報と現象が起こった時の声を録音して、後で再生して潜入と出現の時刻を0.1秒単位で求めます。 現象を見てから声が出るまでの反応時間は、適当に見積もって補正します。 眼視観測は信頼性が低いので、近くの人とペアを組んで2人以上で観測すると、信頼性が向上します。 ビデオ観測の場合は、なるべくI.I.を使用し、時報を同時録音します。 周囲の星が映るような倍率で観測すると、雲の通過による減光を区別することができます。

この2つの現象については、日本で見られることが確実なので、観測キャンペーンを張ります。 この情報は、お近くの観測者にも伝え、なるべく多くの観測が得られるよう御協力下さい。 観測報告は、現象が起こらなくても、曇っても、佐藤勲氏(satoois@cc.nao.ac.jp)まで是非御報告下さい。