小惑星フレダによる恒星の掩蔽の改良予報

【1999年1月5日 佐藤 勲 氏 ONM No.400】

USNOでの10月18日〜12月28日までの観測によると、1月6日(水)に起こると予報されていた小惑星(1093)Freda(14.2等)によるHIP001176(6.63等)の掩蔽は、同日18h15mごろ対馬海峡〜サハリンにかけて通る可能性が高いことがわかりました。
 北海道東部、東北、関東、中部、近畿、南西諸島方面は、可能性圏内から外れ、掩蔽帯が予報より南にずれた場合に、北海道西部、中国、四国、九州地方で現象が見られる可能性が残っています。特に九州北部、中国地方西部の地域は、-1〜2σの範囲にあるので、可能性はかなり残されています。予報の精度は、0".06で、小惑星の視直径と同程度です。

小惑星の推定直径は120kmで、現象が起これば最長 4秒間にわたって7.6等級の減光が起こりますが、西日本では薄明中の現象です。恒星が明るいので、双眼鏡で観測可能です。恒星の位置は、赤経00h14m40s5, 赤緯-14゚48'19"です。月刊天文1月号に予報があります。

掩蔽帯図掩蔽帯図
1月6日
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眼視観測の場合、JJYまたは電話時報を受信し、時報と現象が起こった時の声を録音して、後で再生して潜入と出現の時刻を0.1秒単位で求めます。現象を見てから声が出るまでの反応時間は、適当に見積もって補正します。眼視観測は信頼性が低いので、近くの人とペアを組んで2人以上で観測すると、信頼性が向上します。
 ビデオ観測の場合は、なるべくI.I.を使用し、時報を同時録音します。周囲の星が映るような倍率で観測すると、雲の通過による減光を区別することができます。

この情報は、お近くの観測者にも伝え、なるべく多くの観測が得られるよう御協力下さい。 観測報告は、現象が起こらなくても、曇っても、佐藤勲氏(satoois@cc.nao.ac.jp)まで是非御報告下さい。