News
小惑星ガニュメトによる
恒星の掩蔽の予報


【1998年11月11日 佐藤 勲 氏 ONM No.383】

 来る11月15日(日)27h41mごろ、アモール型の特異小惑星(1036)Ganymed(9.9等)によるACT2122589(10.88等)の掩蔽が起こります。 ボーエルの最新の軌道要素によれば、掩蔽帯は、東北地方南部〜中部地方〜近畿〜四国〜九州を通っており、東北地方中部から九州までの全域が可能性圏内にあります。 恒星の位置は、赤経03h41m23s4, 赤緯-03°23'56"、また小惑星の推定直径は41kmで、現象が起これば最長4秒間にわたって0.4等級の減光が起こります。 減光が浅いことと、東日本では高度が低いことのため、なるべく大口径望遠鏡によるビデオまたは光電管による観測が望まれます。

掩蔽帯図掩蔽帯図
11月15日
GIF 112KB
935×1210

 また、11月24日(火)21h18mごろ、Ganymed(10.4等)によるACT2122006(10.12等)の掩蔽が起こります。 掩蔽帯は、北海道および東北〜関東の太平洋岸を通っており、北海道、東北、関東が可能性圏内にあります。 恒星の位置は、赤経03h34m17s9, 赤緯-07°08'51"で、現象が起これば最長5間にわたって0.9等級の減光が起こります。 減光がやや浅いので、なるべく大口径望遠鏡によるビデオまたは光電管による観測が望まれます。

掩蔽帯図掩蔽帯図
11月24日
GIF 122KB
935×1210

 眼視観測の場合、JJYまたは電話時報を受信し、時報と現象が起こった時の声を録音して、後で再生して潜入と出現の時刻を0.1秒単位で求めます。 現象を見てから声が出るまでの反応時間は、適当に見積もって補正します。 眼視観測は信頼性が低いので、近くの人とペアを組んで2人以上で観測すると、信頼性が向上します。 ビデオ観測の場合は、なるべくI.I.を使用し、時報を同時録音します。 周囲の星が映るような倍率で観測すると、雲の通過による減光を区別することができます。

この情報は、お近くの観測者にも伝え、なるべく多くの観測が得られるよう御協力下さい。 観測報告は、現象が起こらなくても、曇っても、佐藤勲氏(satoois@cc.nao.ac.jp)まで是非御報告下さい。


 AstroArts Copyright(C) AstroArts Inc. All rights reserved.