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小惑星エウロパによる
恒星の掩蔽の改良予報


【1998年10月13日 佐藤 勲 氏 ONM No.369】

 USNOの9月26日から10月7日までの観測によると、15日(木)に起こると予報されていた小惑星(52)Europa(11.3等)によるGSC0726_0899(10.88等)の掩蔽は、初期予報に対して南へ0".38±0".03, 時間で87±5秒遅く、23h59m〜24h00mごろ、北海道方面を通ることがわかりました。 サハリン南部から東北地方北部までが可能性圏内にありますが、小惑星が大きいため、掩蔽帯の一部が北海道にかかることは確実です。

 小惑星の直径は312kmと推定され、現象が起これば、最長80秒間にわたって1.0等級の減光が起こります。 恒星の位置は、赤経05h37m36s7、赤緯+14°55'51"で、オリオン座にあります。恒星は11等と暗いので、詳しい星図を頼りに探し、なるべく口径の大きな望遠鏡で観測する必要がありますが、北海道で現象が見られることはほぼ確実なので、公開天文台などの大口径固定望遠鏡で観測することが期待されます。

掩蔽帯図掩蔽帯図
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10/15更新

 眼視観測の場合、JJYまたは電話時報を受信し、時報と現象が起こった時の声を録音して、後で再生して潜入と出現の時刻を0.1秒単位で求めます。 現象を見てから声が出るまでの反応時間は、適当に見積もって補正します。 眼視観測は信頼性が低いので、近くの人とペアを組んで2人以上で観測すると、信頼性が向上します。 ビデオ観測の場合は、I.I.を使用し、時報を同時録音します。

この情報は、お近くの観測者にも伝え、なるべく多くの観測が得られるよう御協力下さい。 観測報告は、現象が起こらなくても、曇っても、佐藤勲氏(satoois@cc.nao.ac.jp)まで是非御報告下さい。


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