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史上最大の爆発を観測!


【NASA Press-release 98-75】

NASAは、宇宙創生(ビッグ・バン)以来、史上最大のエネルギー放出を示すガンマ線バースト(爆発)を観測したと発表した。
これは、97年12月14日にNASA/ESAのコンプトンガンマ線天文台衛星とイタリアのベッポSAX衛星が同時に観測したガンマ線バースター天体を調べた結果、判明したものである。
この天体は GRB971214と呼ばれ、地球から約120億光年の距離にあると推定される。

ガンマ(γ)線バーストとは、1967年にアメリカの核実験監視衛星によって偶然発見された現象で、数秒から数十秒の突発的なγ線のバーストが全天のあちこちで観測されている。
くり返し起こるタイプと、一回のみ起こるタイプがあり、繰り返し起こるタイプについては、その正体は明らかにされつつあるが、一回のみ起こるタイプについては謎に包まれていた。
最近になり、バースト源のひとつが遠方の活動銀河らしきことが明らかになり、その正体解明に関心が集まっていた。
ガンマ線は、きわめて高いエネルギーを持つ電磁波で、宇宙論的遠方からの放射に生じる赤方偏移の影響を受けてもなおガンマ線で観測されるバーストは、きわめて巨大なエネルギーを放出していると考えられる。

今回の GRB971214の観測結果は、これまで理論的に考えられていたガンマ線バーストのエネルギー放出値の100倍ものエネルギーを出しており、これはビッグバン以来、宇宙で生じた最大の爆発現象であろうと推定されている。より詳細なデータの分析によって、ガンマ線バーストの謎の解明に期待がかかる。

ハッブル宇宙望遠鏡が撮像したGRB971214

画像はハッブル宇宙望遠鏡が撮像したGRB971214(NASA/STScI)



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