関勉さんの名著『未知の星を求めて』が再刊
【2021年9月9日 星ナビ編集部】
紹介:宮地竹史
(「星ナビ」2021年9月号「News Watch」より抜粋)
今では古書店でも入手困難となっている『未知の星を求めて』。世界的なコメットハンター・関勉さんの名著を、新しく改訂版として再刊しようという計画が高知県でスタートした。
同書は、関さんが1965年(昭和40年)に高知新聞に連載した「星空への招待」を有志の方々がまとめたもので、翌年出版され、多くの天文ファンが手にした。「この本を読んで、天文学者を目指した」という研究者も多いが、今では入手が難しくなり再刊への期待が大きくなっていた。
改訂版では「子供たちにも読んでもらえるように漢字を教育漢字に直す」「時代を経て難解に感じられる言葉や文章も現代的な表現にする」「天文用語や星座名などを、現在一般に使われている表記にする」などの編集を行う予定だ。また、今回の改訂版では「池谷・関彗星発見物語」としてそのときのエピソードを1章分書き下ろしていただくことになった。
関さんは、「発行当時は、天文家でない方からも感想が届くなど、幅広い方に読まれた本です。ぜひ、今の子供たちや若い方々にも読んでほしい。皆さんで、大いに手を入れて、読みやすい良い本にしてほしい」と語る。
改訂版『未知の星を求めて』の出版はこの秋の予定だ。
(左)『未知の星を求めて』とその続編『夜空を翔ける虹』。(右)1961年に初めて「関彗星」を発見した様子を語る若き日の関勉さん
星ナビでは改訂版『未知の星を求めて』刊行を記念した特集記事を現在編集中だ。貴重な写真や資料も満載で「伝説のコメットハンター関勉さんの半生」を紹介する。
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