滋賀県多賀町「小中学生の星空調査」レポート

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昨年夏に滋賀県多賀町で、町内の小中学生299人が参加した星空調査が行われ、空の暗さや星空環境の変化が調べられた。

【2021年2月4日 高橋進さん】

滋賀県多賀町では2011年に開催された第23回「星空の街・あおぞらの街」全国大会に合わせて、町内での星空調査が行われました。これは夏の大三角付近の4.4等までの星のうち、見えたものを星図上で塗りつぶしていくという方法で行われ、2018年までに5回実施されてきました。

調査用紙
調査用紙(提供:高橋さん、以下同)

6回目となる2020年の調査は、多賀町内の小学4~6年生と中学1~3年生に夏休みの課題として実施されました。新型コロナウイルスの影響で夏休みが短縮されたものの、8月1~19日の調査期間で299名の児童・生徒の皆さんより864件の観察データをいただきました。

集められたデータから多賀町内の大字ごとの平均限界等級が求められ、これを地図上にプロットすることで、多賀町内においては平野部より山間部のほうがより暗い星まで見えることが確認できました。滋賀県湖東地域ではおおよそJR東海道線に沿って民家や店舗・事業所などが密集しており、東海道線からの距離と平均限界等級をグラフにしたところ、離れるほど暗い星まで見える傾向が確認できました。各字の集落での街灯の設置状況や、東海道線と観察地の間に山などがあるかどうかによって、限界等級が大きくばらついている様子も見られます。

2020年の調査結果
2020年の調査結果。画像クリックで表示拡大

また、これまでに実施された星空調査との比較では、年によって多少のばらつきはあるものの大きな変化は見られず、この10年間では多賀町の星空環境は大きくは変化していないこともわかりました。

調査結果の比較
調査結果の比較。画像クリックで表示拡大

調査にご協力いただいた学校・児童・生徒の皆さんに深く感謝いたします。

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