キヤノン、天体撮影仕様のフルサイズミラーレス「EOS Ra」発表

このエントリーをはてなブックマークに追加
キヤノンからフルサイズミラーレスカメラ「EOS Ra」が発表された。Hα輝線の透過率を高めてあり輝線星雲の赤さを鮮やかに写し出すことができるなど、天体撮影に適した仕様となっている。12月上旬発売予定。

【2019年11月7日 キヤノン

ついにキヤノンから、天体撮影専用フルサイズミラーレスカメラ「EOS Ra」が発表となった。憶測も含め非公式な情報が広まっていただけに、正式発表をやきもきしながら待っていた天体写真ファンも多いことだろう。12月上旬に発売予定で、価格はオープン(キヤノンオンラインショップでの販売価格は税込32万7800円)。

EOS Ra
EOS Ra+RF15-35mm F2.8 L IS USM(提供:キヤノン、キヤノンマーケティングジャパン、以下同)

EOS Raでは、ベースとなったEOS Rの高性能をそのまま引き継ぎながら、Hα輝線の透過率が約4倍となっている。赤く光る輝線星雲を、赤外カットフィルター除去換装等の改造をすることなく、メーカー純正カメラでいっそう美しく鮮やかに撮影できるようになることは大きなメリットだ。一方でカラーバランスが崩れるため一般での撮影は非推奨となっている。

また、ライブビューの拡大率がEOS Rの10倍からRaでは30倍へとアップされていて、シビアな天体写真のピント合わせも容易になっている。この2点が「a」を謳うポイントだ。

キヤノンの天体撮影用カメラとしては2012年に「EOS 60Da」が発売されたが、同機はAPS-Cサイズの一眼レフだったことに比べて、35mm判フルサイズのミラーレス機であるEOS Raは有効画素数が約3030万画素、常用ISO感度が最大40000、電子ビューファインダー搭載、4K動画記録対応、軽量化など、様々な点で進化している。その他の仕様等はEOS Ra製品ページを参照のこと。

ニコンの「D810A」と並ぶ、メーカー純正の天体専用一眼デジタルカメラが発売されることで、ますます天体写真の世界が面白くなりそうだ。

※星ナビでもレビュー記事を掲載予定です。

作例:ηカリーナ星雲
作例:ηカリーナ星雲。「EOS Ra スペシャルサイト」には天体写真家・中西昭雄さんのインタビューなどが掲載されている

関連記事