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放物線軌道を描く小惑星1997 MD10の発見


【1997年 7月11日 M.P.E.C. 1997-N16

ニューメキシコのリンカーン研究所のチームは6月29日、1m反射望遠鏡とCCD によって、いて座の南斗六星の中に18.8等の新小惑星1997 MD10を発見した。 7月11日までの観測から計算された軌道要素によると、この小惑星は周期が120年 あまりの、非常に細長い軌道上を動いていることが分かった。 この軌道の形は、小惑星というよりは、典型的な長周期彗星のものである。

彗星のような細長い軌道を持つ小惑星の発見が報じられたのは、1996 PW と 1997 BA6 に続いて今回が3回目である。 これらの天体は本当は彗星なのだが、ほとんど活動していないため、小惑星の ように見えているだけだ、という説もある。 実際、1996 PW は小惑星状のまま去ったが、1997 BA6 はその後彗星であることが 分かった。 今回の 1997 MD10 は今年11月にもっとも太陽に近づくが、その頃までには彗星 であることが分かるかもしれない。


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