【1997年 6月10日 IAUC 6680】
ドイツ惑星探査研究所のモットラ(S. Mottola)とハーン(G. Hahn)は、アポロ型の
小惑星(3671)ディオニススのまわりを衛星が回っているらしいことを発見した。
ヨーロッパ南天天文台で、世界時5月30.9日から6月8.1日にかけてこの小惑星 を観測したところ、小惑星の自転による2.705時間周期の0.14等の変光に加えて、 2時間ほどの間、約0.08等ほどの減光を捉えた。 この減光は5月30.985日、6月1.131日、6.918日、8.071日に観測され、1.155日周期 で起こっている。 彼らは、この現象はディオニススとそのまわりを回っている衛星とが食を起こして いるためだと考えている。
このような現象はかつて小惑星1994 AW_1や小惑星1991 VHでも観測されたこと がある。このことから、地球に近付くような小惑星には衛星を持っているもの が多い可能性が示唆されている。
ディオニススの衛星について、詳しくは
http://earn.dlr.de/dionysus/を参照。
なお、現在までに確認されている小惑星の衛星は、ガリレオ探査機が発見した (243)イダの衛星ダクティルのみである。