【1997年 6月5日 NASA press-release 97-123】から
惑星探査機ガリレオの最新画像によって木星には、 地球と同じように熱帯や砂漠など、 湿潤な地域と乾燥した地域があることが判明した。
木星の大気には少なからず水蒸気が含まれていると考えられていたが、
1995年12月に投下されたプローブで分析された木星の大気は、
予想を遥かに下回るほど乾燥したもので、科学者のあいだで議論をよんでいた。
そこで科学者たちは、ガリレオを使って木星を念入りに調査した結果、 プローブを投下した地点の周辺は熱帯のように水蒸気があることが判明した。 また、1995年に、ガリレオのプローブが突入した地域は、 大気の流れが一点に集中しバックドラフトと呼ばれる 大気が非常に乾燥する現象が起きていたことも分かった。 このように乾燥した場所は、木星の大気中の1%にも満たないということである。
「プローブはたまたま木星の”サハラ砂漠”のような場所に突入したんだ。 今回の発見で、プローブが突入した周囲には、熱帯のように湿気のある場所で、 木星は従来の理論通りに”湿った”惑星だったのだ。」 とカリフォルニア工科大学の アンドリュー・インガーソル博士は胸をなでおろしている。
このように木星の気象も地球とさほど変わらないことがわかった。 我々の緑の惑星と大きく違うのは、木星が深いガスの大気に覆われていて 大気中で発生する嵐などが数ヶ月、時には数百年にもわたり継続することである。
また、水が存在するからといって、木星に生命が存在するとは考えにくく、 生命が進化するだけの土台もない、とのことである。
なお、木星は現在夜半過ぎの南東の空に見えていて、 大赤斑を白斑が横切るという大変珍しい現象が起きている。
ガリレオの最新画像やその他のデータは以下のURLで公開されている。
http://www.jpl.nasa.gov/galileo/