ミード社社長ジョン・ディエベル氏にインタビュー



Picture あのLXシリーズなどで有名な望遠鏡メーカーのミード・インスツルメンツから、このたび米本社社長のジョン・ディエベル氏が来社された。 世界の望遠鏡の約半分はミードの製品といわれ、販売店も世界各地に存在する。 今回は同社の日本総代理店社長の福田氏とともに小社を訪れたもので、我々も天文ファンとしてお二方と大いに歓談した。氏は天体観測家としても有名な方で、その含蓄のあるお話、とくに世界中の天文ファンのHB彗星の観測にまつわる話題には、いろいろ学ぶところがあった。そのディエベル氏に、ミード社についてインタビューを行ってみたところ、ミードの現状やアマチュア天文学の未来について以下のように語られた。

まずミードの現状についてお聞かせください。;
ミードは現在、世界のアマチュア向け望遠鏡の約半分のシェアを持っており、販売店も世界各地にあり、また270人の従業員数を抱える世界有数の望遠鏡メーカーです。

ミードの理念とは何でしょうか?;
私たちミード・インスツルメンツは皆さんが「喜んで楽しめる(Enjoy and Fun)」製品作りを第一のモットーとし、常に新しい技術に目を注ぎ、そのような観測機材をいち早く製品化できるよう日々努力しています。また、きたるべき天文のデジタル化を念頭に置き、そのために7人の専属エンジニアを抱えています。

日本という市場についてはどのように考えていらっしゃいますか?;
販売実績では、常に日本はトップスリーに入っており、このことだけを考えても、日本市場はミード・インスツルメンツにとってのベストパートナーというべき存在です(ほかにはドイツやイタリア、フランスなどがあげられる)。長引く景気の低迷には憂慮していますが、ミードの製品は、景気が悪いといわれている今の市場でも非常によく買っていただいています。

現在CCDを使った天体観測が注目を浴びていますが、今後のCCDの普及や発展についてはどのようにお考えでしょうか?;
パソコンの性能や操作性の向上に伴い、アマチュア天文学は急速にデジタル化の方向へと進んでおり、今後5年のうちにすべてのアマチュア天文家はCCDを使うことになるでしょう。現にアメリカにおいて、CCDのユーザー層は確実に広がってきています。こうした現状を踏まえ、ミードでも7人のソフトウェアエンジニアのうち2人をCCD関連ソフト専門に割り当てています。

10年後のミードはどのような企業になっているでしょうか?;
先ほど述べたように、10年後のアマチュア天文学は確実にCCDを使った天文学に大きく傾いているでしょう。そのとき、10年経ってもミードが常にユーザーの皆さんのベストパートナーでいられるよう、常に新しい技術を導入しながら日々躍進したいと考えています。

今後5年のうちにすべてのアマチュア天文家がCCDを使うと断言されたことには、非常に驚かされた。会社トップが天文分野のデジタル化を見据えているあたり、まさにミードは世界のアマチュア天文学をリードしていく望遠鏡メーカーであるといっても過言ではないだろう。今後のミード・インスツルメンツの活躍を期待していきたい。


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